今年、キャッチコピーは聞こえてくるのか

2014年1月5日

昨年も流行語大賞が発表された(正式にはユーキャン新語・流行語大賞)。Webサイトには次のように書かれている。「『現代用語の基礎知識』読者審査員のアンケートを参考に、選考委員会によってノミネート語が選出されている」。一民間企業のイベントではあるが、1984年に開始なので歴史もそれなりにあり、「今年の漢字」と同様に年の瀬の国民的な話題となっている。

ご存じの方がほとんどだと思うが、昨年は例外的に4つもの言葉が選ばれた。「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」。どれもが印象に残る言葉で、確かに審査員を悩ませただけのことはある。こういう言葉を選ぶときの最低限の基準として考えられるのは、いかに人口に膾炙したかどうかだろう。都市部のみならず、地方の片隅にも、さらに老若男女にも浸透していることが重要だ。

こうやって4つを振り返ると、テレビの影響があることは間違いない。特に「じぇじぇじぇ」「倍返し」は、ドラマを印象づける中心的な言葉だ。タイトルよりもこちらが有名になってさえいる。こんなことは近年あまり無かった現象ではないか。そういう意味で昨年は、言葉自体がある程度の存在感を示した年であったともいえる。

ところでコピーはどうなのか?

さて、ここで広告の話です。
対して、広告の言葉はどうなっているのだろうか。一般的には広告コピーと呼ばれ、コピーライターが一世を風靡した(上記のような流行語を生んだという意味で)時代もあるが、それも今は昔。
(※ここでいう広告コピーはキャッチコピー、いわゆるキャッチフレーズ的なものであることをお断りしておく。広告の本文(ボディコピー)については、また別の役割や評価があるので。)

知られているように、メディアがパーソナル化し過ぎたため、マスメディアを中心とした本来の広告の力は衰えている。言葉の拡散力は、広告というマス媒体よりもソーシャルメディアや一定のコミュニティだけで盛り上がるコピーなど、局所化してきている。

すでに人々は、広告によって作られるコピーに期待してはいないし、それに影響を与えられることも少なくなっているのだと思う。現在のマスメディア広告で、流行語としてのキャッチコピーが消費行動を促すことは非常に困難である。広告自体がマスメディアではなくパーソナルなメディアに移行しつつある今、コピーのあり方も相当に変わらざるを得ないことは当然だ。

友人の境さんがブログでおもしろい試みを始めている。ソーシャルな時代のキャッチコピーとビジュアルのコラボレーションとして、興味深い実験である。しばらく注目していきたい。

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