コンテンツが貧弱な限り、大画面テレビがバカ売れすることはない

2013年8月6日

大画面テレビ

そうかあ、地上デジタル放送が始まってもう2年も経つのか。早いな。しかし、地デジになって何が変わったのだろうか? データ放送でそんなに視聴スタイルが変わったかな? 美しい人はより美しく、そうじゃない人はそれなりに映るようにはなったのだが…。

先日、こんな記事が出ていた。

テレビ市場全体での販売金額構成比をみると、7月には40型台のテレビが30.3%。50型以上は初めて3割超えとなる31.2%を占め、なんとテレビ販売の約6割が40型以上のテレビで構成されていることがわかる。

大画面テレビ販売が本格的に拡大の兆し…消費増税前に業界の本音は?

アベノミクスの円安で家電メーカーの業績が回復してきたこととは直接関係ないのだろうけれども、大画面テレビを買える層の懐具合には少し余裕が出てきているのかもしれない。ここでいう買える層とは「富裕層」ではなく「リビングの壁際に広いスペースを確保できる余裕」のある層のことである。この記事でもわかるように、大画面テレビの平均単価は1インチ2500円を切るほどの下落ぶりなのだから、一般庶民でも充分手が届く価格になってきているのだ。

その層はどちらかといえば若い世代よりも中高年層である。それはスペース環境だけでなく、そもそもテレビを日常的に観ているのがその世代に圧倒的に多いからに他ならない。僕が教えている学生(20歳前後)や30代の知り合いなどに、いつもどれくらいテレビを観ているかを尋ねると、ほとんど観ていないか、ながら視聴が多いと言われる。中にはテレビ自体を持っていない人も結構な数でいたりするのだ。「観たい番組がない」や「時間がない」「興味がない」「ネットやゲームで忙しい」などがその理由だ。

自分自身50代ではあるが、ここ数年は視聴時間が激減してしまっている。他のことを削ってまでも観るに値する番組というものが実にに少なくなった。それでも彼らよりは長く観ているほうだろう。結局、テレビ番組というコンテンツの質がもっと各世代を惹きつける魅力を持つようにならない限り、メーカーがどんなテレビを出そうとも、いくら価格を下げようともバカ売れすることはない。

大画面テレビといっても、それはつまりモニターというハードの話だ。確かに4K(フルハイビジョンの約4倍)や今後の8Kといった解像度に対応するモニターであれば、映像美や迫力といった点で今までのテレビよりも魅力はある。ブルーレイディスクの映画や映像を映すモニターとしてなら最高だろう。しかし所詮は単なるきれいな器というだけで、中に盛られる料理がまずくては誰も食べない。テレビは番組を映すものなのだ。

テレビ番組というソフトの貧弱さをどうにかして克服しない限り、今の中高年世代が少なくなったあかつきには、テレビという市場自体が危ういものとなるに違いない。メーカーがテレビを本当に売りたいのであれば、テレビ局と一緒になってコンテンツの充実に真剣に知恵を出していくべきだ。ハードとソフト(この場合はコンテンツ)の一体化が重要なことは、パソコンやモバイルの世界で既に実証されていることなのだから。

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