電子書籍には、解決すべき課題がいっぱいあるというお話

2013年1月31日

ITmediaが運営しているeBook USERという電子書籍の情報サイトがあるが、『eBook TV』というニコ生とUstの番組で今年の電子書籍業界の予想をやっていたのでチェックしてみた。
予想の裏には同時に現状の問題点もあらわになっていたと思う。忘れないうちにまとめてみたい。

 

■日本語版iBook Storeの開始

これは先日ブログに書いたが、一月中という報道を考えると微妙な感じ。しかし、これが開始するとメインの電子書籍プラットフォームがほぼ出揃うということなので期待したい。

■横断検索の実現

文字どおり、その本が電子化されているのか、どの電子書店で配信されているのかを、書店間を横断してグローバル検索できる機能のこと。すでに電子書籍のポータルサイトは何個かあるが完全ではない。これを実現するには、次にあげる『書籍付番』にも関連するということだ。

■書籍付番の作成

紙の場合のISBNと同じように書誌情報が必要だが、現在はまだそれがない。電子書籍をアフィリエイトする際にも必須の情報である。これについては、IT業界のアプリ制作者やAPIによるアプローチが必要だということ。

■コスト部分の変化

Amazon KDPが開始したりパブーの例もあり、本を作ることが安く手軽にできるようになった。そのため、個人出版が普及してくる。ブログプラットフォームのシェアトップであるWordPressに、ブログからEPUBが書き出せるプラグインが登場したことも普及を加速しそう。
電子書籍は再販制度の適用外であるが、実際のははそんなに価格が下がっていない。しかし、ポイント還元やキャンペーン期間中のディスカウント、Pay What You Want などの新しい価値基準が生まれてくる。音楽業界でいえば、レディオヘッドの例があげられる。

■制作面の変化

出版社の代わりとしてエージェントの存在が重要になり、著者と読者のハブとして活躍する。プロモーション業務をおこない、マネージャー的な役割も出てくるだろう。話題になったところでは、コルクの例があげられる。著名なところでは、宇宙兄弟や安野モヨコがエージェントを依頼して出版している。

■図書館からの電子書籍配信

手始めに、国立国会図書館で2月1日から実証実験が始まる。著作権の切れたコンテンツから無料で配信する予定。既存ストアとの線引きをどうするかが課題であるが、試みとしては注目すべきであろう。

ちなみに、番組中で電子書籍の魅力があげられていた。

  • 場所をとらずに、何冊でも持ち歩けるので旅には最適。
  • 電子書籍ならではの作品が読める。『ワンピース』など、漫画のカラー版も配信。これはデジタル着色によるもので、紙のようにコストもかからず重版や在庫なども関係ない。
  • 24時間、いつでも購入できる。
  • 都市部にしか書店がない、のようなハンディがなくどこでも買うことができる。

特に最後の部分については、都市部中心で考えていると、地方の書店環境に対しての想像力の衰えを認識させられる。MCの栂安さんが美形ということを差し引いても、なかなか充実したいい番組だった。

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