『スマート』だらけになってしまいそうな日本

2013年1月27日

最近、『スマート〜』のような名称の商品やサービスが急激に増えてきた。かつて iMac や iPod の人気が出たときに、『 i 〜』なんていう商品がやたらに発売されたのと同じ匂いがする。便乗ネーミングというヤツだろうか。スマート(smart)は「かしこい」「頭がよい」という意味だが、他にも「身なりが良い」「おしゃれな」など外形に関わる意味もある。それに加えて日本ではどういうわけか、「痩せている」とか「ほっそりとした」「スタイルが良い」という意味で使われることも多い。むしろ、頭に浮かぶイメージはこちらか。

『スマートフォン』は本当にスマートといえるのか?

『スマホ』とか『スマフォ』とか、普通に略称で呼ばれるようになってきているが、そもそも『スマートフォン』という存在と名称は、iPhoneのヒットで人々の間に広まった。発売当初のデザインも最新の iPhone5 と基本的には変わらず、物理的な操作ボタン類がほとんどないシンプルな『ただの板』といってもいいようなものだ。

その後に発売されたスマートフォンの多くがそれを模倣しているのは明らかで、日本人にとっては「かしこい」よりも「スタイルが良い」というのがスマートさの印象として強かったんじゃないだろうか。

スマートフォンは、いろいろと便利なことができる「かしこい電話機」が語源だろう。しかし、「かしこい」ということと「使いやすい」や「簡単」とは同じではない。新製品が出るたびに機能が進化しているが、それが必ずしも使いやすさに結びついているとはいえない。なんとなく、「これって実はスマートじゃないよね」と感じている人も多い気がする。

そう、スマートって「簡単」みたいなイメージもあるからね。特に機能が増えて操作が複雑化すればするほど、ITリテラシーが必要になるのは現状ではパソコンと同じなのだ。

また、ディスプレイサイズはどんどん大きくなり、形状としてのスマートというイメージも薄れつつある。例えば、今スマートフォンで最も大きなディスプレイは約5.0インチだが、このサイズ、女性が電話として使うと、残念ながらスマートとは程遠いスタイルになってしまいそうだ。

アメリカでは社会のシステムとして、かなり前から様々な『スマート〜』が提唱されていたという。欧米での『スマート』という言葉は捉える意味合いも違うし、別にトレンドワードというわけでもないのだろう。スマートは今だから特別ということではない。ところが日本の場合は、ことネーミングに関しては単に流行ってきたから、という部分もあるのではないか。

何でも『スマート〜』は、お手軽過ぎる

話題の『スマートテレビ』というネーミングは、スマートフォンの「フォン」に対しての「テレビ」ということだが、もっと良いものはなかったのか。どことなく二番煎じの安っぽい雰囲気が漂ってしまう。

スマートという言葉を使用したブランドや商品名を、数分検索しただけでもこれだけ出てきた。

それぞれにコンセプトは考えられていて、なるほどと思うものもある。でもそれが「スマート』という、どこでも使われるようになって耳障りの良い言葉に集約されてしまっている。やはり『 i 〜』の時と似ている。これだけ「猫も杓子も」状態だと、どうもネーミングの安直さに便乗しているように思えてならないのだ。

余談だが、ぼくにとって『スマート』の代表といえばこれだ。

それ行けスマート(原題:Get Smart)

007のような本来の「スマート」に対しての皮肉がたっぷり。最高に笑える名ドラマです。

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