iPhone 4、来るべき驚異!

2010年6月10日

iPad発売の興奮も冷めやらぬ間に iPhone 4が発表になって、Twitterのタイムラインはその話題で大賑わいとなっています。はじめてのメジャーアップグレードといえるもので、プロダクトデザインの変更も含めて新機能が多いので当然といえるかもしれません。

マルチタスクやカメラの画素数アップ、ビデオ通話などがクローズアップされていますが、このような機能の進化は、技術的にもいずれ実現することが予想されていました。ここで僕のようなデザイン畑が刮目したのは、Appleが『Retinaディスプレイ』と命名したディスプレイ解像度のアップデートです。

何よりもAppleが画期的なことは、おそらくこれが技術的には既に実現可能なこと(日本の技術を持ってすれば特に)だったにも関わらず、それをこんな小さなモバイルのディスプレイに採用しようという、他のメーカーがアプローチしようとしなかった部分での発想です。

通常のPCに使用されるディスプレイ解像度は、実寸表示で72dpiもしくは96dpiです。印刷用データに必要なディスプレイ解像度というのは300〜350dpi程度なので、単純にディスプレイ上の解像度の5倍弱が必要となります。iPhone 4で採用される『Retinaディスプレイ』の解像度は322ppi(ディスプレイ解像度の単位はdpiでもppiでも同値)。印刷物のレベルにも匹敵する、とんでもない精密度であるということがわかります。

これだと、Web上のテキストやベクターデータであれば、単純には5倍程度にまで拡大表示しても粗くなることは無いでしょう。写真や図版などのビットマップデータを拡大表示した場合には、今までのディスプレイで拡大せずに原寸で表示した程度の品質になると思われます。

つまり、どういうことかというと、今までと同じWebサイトや写真を iPhone 4で拡大表示しても違和感が無いけれど、他の通常ディスプレイのスマートフォンで拡大した場合にはかなり粗く見えるということです。iPhone 4でiBooksを実現するためにも必要なことだったのでしょう。

一度このディスプレイでの表示を味わってしまうと、元に戻れなくなってしまう危険性を孕んでいます。例えると、ブラウン管テレビを見ていた人が液晶ハイビジョンを見てからブラウン管に戻れるか、ということに近いと思います。

こんな小さな画面の解像度を、これ以上増やす必要性ってどこにあるの?と他メーカー(特に日本の)は考えていたに違いありません。そう、これはとても些末なことのように思えます。しかし、ビジュアルや見栄えというのは一種の魔術ともいえるので、そこをついてきたAppleのこだわりに驚異というか畏怖さえ感じざるを得ないのです。

人々が思いもよらないニッチな部分をつきつめて、後戻りできない快感を次々と生み出す術を今のAppleは持ち合わせているのではないでしょうか。

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