知らず知らずのうちに、コンピュータと歩き始めていた

2010年3月4日

僕は文系の人です。機械に対しても比較的オンチの部類に入ります。パソコン(その昔はマイコンと呼ばれていましたが)なるものが出現したときには、こんなもの、死ぬまで縁がないだろうなと思っていました。
でも、今はこれ無くしてはメシを食っていけない状態になっています。予感なんてまったく当てにならない。恐ろしいものですね。

 

デザインは、意外に理系仕事だったりして

デザインの世界でコンピュータ(らしきもの)と出会ったのは、仕事を始めてまだまもない頃です。ちなみに、現在までのグラフィックデザインのインフラとなる環境を振り返ってみましょう。

■第1期(グーテンベルクの印刷技術発明〜タコ社長全盛時)
 活版印刷・活字<金属のハンコです(物理的)>

■第2期(1970年代〜DTP)
 オフセット印刷・写植<水と油です(化学的)>

■第3期(電子出版)
 ディスプレイ表示・デジタルフォント<電気信号(数学的)>

業界の方々からお叱りを受けるような、かなり乱暴な分け方ですがお許しください。実際はさらに細かな進化があります。
僕は第1期の実務経験が無いのですが、やっていればまた違った表現もできただろうにと思うと残念でなりません。

こう見てくると、意外に理系的なのが驚きです。単に絵が描けたり、ビジュアルの感覚が鋭いだけではなく、そのベースとなるインフラ技術を知っていないとデザインの仕事は務まらなかったのです。確かに、覚えるのは大変でした。

それぞれの時期に画期的な技術革新がなされ、デザインは常にその技術とともに変化してきています。この中で、紙媒体を前提とした技術は第2期まで。現在は第3期に移行しつつあるというところです。
もちろん、紙や印刷が無くなるということはないでしょう。電子書籍の一般化を前にいろいろなところで意見が出ているように、紙を媒体とするものには独自の役目というものがありますから。

 

揺れ動く文字の環境

文字という分野で見てみると、第1期の活字(印鑑と同じ原理)から第2期の写植(ネガ状の文字盤をレンズで撮影し印画紙に現像するしくみ)に変わってきましたが、この「手動写植機」にコンピュータが入り込んできたのが、実用ベースとしての最初ではなかったかと思います。これは「電算写植機」と呼ばれていました。1980年前半、コンピュータという名称は一般的ではありませんでした。

手動でほぼ文字のみを作成する機械から、CRT画面があり、罫線や図形が描け、文字の縮小拡大変形の自由度が増した機械に変わったのです。
これにより、デザイン作業は劇的に効率化し、デザイン表現も自由度を増していきました。アナログではできない(できにくい)表現の始まりです。

この頃、海の向こうのスティーブ・ジョブスはまだガレージにいた(と思う)。Macintoshが生まれるのはそれから数年後のことです。

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